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2008年09月22日

Proteasome inhibitor

プロテアソームというと真核生物の細胞質・核に存在するタンパク質分解の一翼を担う分子複合体ですが,さまざまな阻害剤が市販されています.
 
有名なのは,"Lactacystin"で,いろいろなメーカーから手に入れることができますが,日本では協和発酵が出しています.
 
Lactacystinの難点は価格が高いこと.どれくらいの濃度で使用するかにも寄りますが,3.5cm dish 10枚くらいで三万円くらいの感覚でしょうか.色んなメーカーが出しているので,安い製品を選べばもう少し節約できますが,私は最初に使った関係から,BIOMOL製を使っています.
 
もう一点,Lactacystinを使用する上で留意しておいた方が良いのは,Proteasomeだけでなく,Cathepsin Aの活性も抑制するという報告が出ていることです.
 
H. Ostrowska et al. Int. J. Biochem. Cell Biol. 32, 747-757 (2000)
L. Kozlowski et al. Tumor Biol. 22, 211-215 (2001)
 
実験系によっては問題にならないでしょうが,エンドソーム・リソソーム系の分解の影響を考慮しなければならないときには,実験結果の解釈には慎重になったほうが良いでしょう.それでも,まだまだ「Lactacystinは特異性が高い」と言われているので,あまり気にされないことが多いようですが.
 
Lactacystinはコストが高いというのは使っている人にとっては常識ですが,そこで使いたくなるのは"MG-132"."Z-Leu-Leu-Leu-CHO"の別名ですが,これはペプチドの誘導体なので安価です.ルーティンでたくさんやる実験の時にはMG-132を使いたいですね.
 
ただ,MG-132の場合は,エンドソーム・リソソーム系の分解酵素であるCathepsinを広く阻害するのと,サイトゾルのCalpainも阻害することが知られています.特異性は低いということですね.
 
今のところ,Proteasomeの特異性が高いと言われているのは,"Epoxomicin"ですね.
 
とはいえ,細胞内ではやはりどんなものに効いているのかすぐには判定しづらいので,複数の阻害剤を使って同様の効果があるかを確認するのは必要でしょう.また,プロテアソーム阻害剤は,抗腫瘍・抗炎症作用を持っているものもあり,想像もしていなかったものに効いている可能性もありますね.
 
阻害剤を用いた実験は簡単なのですが,コントロールを適切に取らないといけませんね.
posted by あきらん at 01:05| 北海道 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 実験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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